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「なぜ僕だけこうなったんでしょうねえ。
僕に何かを気づかせたかったんですかねえ」。 自分の身の上に起こったことの意味を悟り、ユーモラスな響きを持たせて人に話せるようになったBさんは、精神的にも完全に立ち直ったようだ。
今では、患者とフェイシャルセラピストという関係よりも、友人という感覚である。 というのも、「どう?最近の車の売れ行きは?」「まあまあですよ」と、私と彼は対等に商売の話もしているからだ。
きっちりと社会復帰も遂げたと言える。 彼はもう大丈夫だと、私は確信する。
Bさんと病院で知り合い、親友になったCさんの場合、仕事上の事故で感電による大火傷を負った。
右手から感電し、足から電流が抜けたという。

そのせいで手は指がくっつき合うほどの大怪我で、動かすことも不自由な後遺症が今も残っている。 顔にも同じようにケロイドあとが残っているのだ。
Bさんは原因が自分にあっただけに、立ち直り方もサバサバしているように感じられるが、Cさんの場合はそうはいかない。 事故後、社会の歪んだ仕組みから受けたさまざまな仕打ちに対する怒りで、今日まで生きてきたとさえ言っているのだ。
205歳のとき、その事故に遇い、顔が変わり、手の自由を奪われ、仕事を失い、人生設計を狂わされた。 労働者災害補償保険の休業補償給付が下りていた。
が、手術と手術の間の日を自宅療養していたある日、労災保険の担当者が訪れ、「いい若い者が、いつまで労災の世話になっているんだ。 たかが火傷くらいで部屋にとじこもってないで、社会復帰をしたほうがいい」と言ったのだそうだ。
彼の場合、焼けただれくっついてしまった指を、一本ずつに引き剥がす手術が必要だったが、それは美容形成の範嬬になる疑いがあるので、労働者災害補償保険は利かないのではないか、と言われたそうだ。 今まで同じような事故にあった人がいたが、腕を切り落とす手術をしたという。
Cさんの場合は、火傷あとの手を生かして手術が行われた。 結局、給付金は継続されたそうだが、要するに、医療の進歩に労災保険の制度がついていっていなかったのだ。
それに、交通事故による顔の傷には健康保険が利くが、それでも医学的な完治と、本人が「よし」と納得する治り方とでは差がある。 その差を埋めるための手術には、健康保険は利かない。

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